"B" SINGLE RIDERS
バンソンの数あるラインナップ中、最もベーシックかつポピュラーなモデル
”最高峰のレザーウエア「バンソン」、一生ものとして長年愛用するアメカジファンの多いブランド”
1975年、マサチューセッツ州の首都ボストンで誕生した「バンソン」。
それまで名を馳せていたレザーブランドが低迷し、業界では暗黒の70年代とまで言われていた当時、ボストン大学で経営学を学んだMichael Van De sleesen氏(当時22歳)が、彼の名を略したVanson Associates Incを設立。
最新のテクノロジーを積極的に取り入れ、品質にとことんこだわったバンソンのレザーウエアは、地元ボストンのレースシーンを中心に徐々に需要を高めていきました。
順調に進んでいたMichaelのビジネスですが、オイルショック(1978年)から続いた不況の影響を受け、1983年には倒産の危機に立たされます。
しかしその翌年、本拠地をマサチューセッツ州サザンランドに移し、Vanson Leathersとして見事復活。
さらに同州クインシーに移行した1980年代後半、ヨーロッパや日本からの需要も急激に加速、バンソンは最高級レザージャケットメーカーとして不動の地位を築きます。
ちなみにこの頃の日本需要が、いわゆる“渋カジ”というファッションシーンの流れで、日本での知名度も爆発的に上がりました。
しかし、ブームが去ったその後も、バンソンの持つブランドイメージや、そのクオリティの高さに魅了される人は多く、品質にこだわるレザーファンを中心に圧倒的な人気を誇っています。
バンソンの一番の魅力とも言えるのが、非常に重厚で、独特の艶を放つレザー。そのメインとなるのは全て手作業による加工が施されたトップグレンカウハイド。
まず初めに行われるのが、皮表面の繊維状たんぱく質を溶液につけ、網状組織に固める作業「なめし」。バンソンの革は1800年後半に開発された「クロームなめし」という方法を採用しており、なめらかで美しい仕上がりが特徴。また、耐久性、伸縮性に優れた革が出来る為、ライダースにはよく使われますが、熟練した職人によるバンソンのなめしは、他のそれとは明らかに違います。
次の工程はドラム染め。なめされたレザーを12"×12"のドラムに入れ、6時間以上かけてオイル、染料、お湯と混ぜ合わせます。この作業で革に色味と栄養分を浸透させ、それらをより強く、柔軟にします。
その後、表面に磨きをかけ、何度もワクシングを施し、その革が持つ特性を最大限に引き出します。最後にトップコーティングと呼ばれる仕上げ加工が施され、光沢があり、重厚なバンソンレザーが出来上がります。
この後、カッティングに入る前に何度も品質チェックを行い、基準に満たない革は取り除かれます。こうして厳しい基準をクリアしたベストなレザーのみが製品に使われるのです。
バンソン社が創業以来頑なにこだわっているのが、自社工場の熟練した職人達によるハンドメイド。工場にはおよそ150人のスタッフがおり、それぞれの経験年数は平均8年以上。トータルで1200年の経験が一枚一枚のジャケットに注ぎ込まれているのです。
ジャケットを組み立てるのに、最もシンプルなもので49段階、複雑なもので126段階の工程に分かれています。その全てのパートで、熟練した職人による作業と、新しいスタッフの教育が行われており、その縫製技術が最高級のレザージャケットを作り出すのです。
一方で、コンピューターによるデザインや商品管理をいち早く取り入れたのもバンソンの強み。マックを自在に操るデザイナー達が、流体力学から導きだされた最先端のレーススーツや、バイクを降りても着たくなる洗練されたジャケットデザインを作り出しているのです。
また、バンソンの商品には一つ一つにシリアルナンバーが付属しており、その全てがコンピューターでデータベース化され、徹底した品質管理が行われています。
バンソンの数あるラインナップ中、最もベーシックかつポピュラーなモデル
定番の襟付きシングルライダー「ENF」。正式名は「ENFIELD(エンフィールド)」、BやC2と並ぶバンソンの人気モデルです
ダブルライダーの基本形“C”の着丈を2インチ短くしたバージョン。日本ではCよりも広く知られている定番ライダース
最もベーシックかつポピュラーな「B」にオクタゴンと呼ばれるブラウンレザーを採用したモデル